格安SIMサービス比較「こんなはずじゃなかった!」にならないためのサービス比較ガイド


格安SIMに乗り換えると「今使ってるスマホがそのまま使えて、スマホ代金が安くなる!」と思っている方が多いと思います。

格安SIMはMVNOと呼ばれるサービス提供事業者が大手キャリア(MNO)から回線設備やサービスを借用し、料金を抑えて消費者へ提供しています。

このことから「スマホ代金が安くなる」はその通りですが、現在大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)で使っているすべてのサービスが全く同じに格安SIMで使えるわけではありません

この記事では以下の点に着目して、格安SIMのサービスと価格を比較したうえで、格安SIMの様々なサービスをご紹介しています。

  • 大手キャリアが格安SIMへ提供しているサービス・提供していないサービスを整理
  • 大手キャリア・サブブランド・MVNO事業者のサービスレベルをを比較
  • 格安SIMの便利でお得なサービスを紹介

そのうえで、格安SIMへ乗り換えたことで「しまった!こんなはずじゃなかった!」という状況にならないよう、格安SIMのサービス提供の仕組みを説明し、サービスレベルの比較を行って行きます。


目次

「格安SIM」とは

まずはじめに、格安SIMを説明する上での簡単な用語の定義を確認しておきます。

MNOとMVNO

MNO:移動体通信事業者
携帯電話やPHS等の物理的な移動体回線網を自社で保有し、直接自社ブランドで通信サービスを提供する事業者のことである。

移動体通信事業者 | Wikipedia

MVNO:仮想移動体通信事業者
無線通信回線設備を開設・運用せずに、自社ブランドで携帯電話やPHSなどの移動体通信サービスを行う事業者のことである。

仮想移動体通信事業者 | Wikipedia

MNOとは通信設備を保有する大手通信事業者のことであり、一般的にはドコモ・au・ソフトバンクが該当します。つまり、回線設備や附帯サービスを貸し出す側、ということになります。

MVNOとは、MNOから回線設備や附帯サービスを借り受けて、独自の付加価値を付けて消費者へ通信サービス提供する事業者を言います。

非常に多くの事業者がMVNO事業者として通信サービスを提供していますが、シェア大手だと楽天モバイルや関西電力系のmineo(マイネオ)などがあります。

格安SIMとは

MVNO事業者はMNO(ドコモ・au・ソフトバンク)から回線設備やサービスを借り受けて、独自の付加価値を付けて消費者へ通信サービスを提供します。

多くの場合、この「独自の付加価値」が「価格の安さ」となることから、MVNO事業者が提供する通信サービスは「格安SIM」と呼ばれたりしています。

また、MVNO事業者ではないワイモバイルなどが提供している、大手キャリアより安い価格設定の通信サービスも「格安SIM」と分類されています。

つまり、一般的に「格安SIM」とは大手キャリアの標準的な価格よりも安い料金設定の通信サービスのことを言います。

ポイント

  • 一般的にはMVNO事業者が提供する通信サービスを「格安SIM」という
  • ただしワイモバイルなどMVNO事業者以外が提供する通信サービスも「格安SIM」と呼ばれる
  • つまり、大手キャリアより安く提供されているサービスが「格安SIM」

MNOとMVNOの仕組みから見た格安SIMサービスの限界

MNO(大手キャリア)のサービス提供義務

MNO(大手キャリア)は自社が保有するすべての設備やサービスをMVNO事業者へ提供・解放しているわけではありません。では、MNOはMVNO事業者へどんな機能(設備)やサービスを提供・解放しているのでしょう?

MVNO事業に関する総務省のガイドラインでは、MNOがMVNOへ提供しなければならない(提供義務を負う)サービスが規定されています。

一例として、MNOがMVNOへ提供義務を負うものと提供義務を負わないものを以下に示します。

MNOの提供義務 機能 備考
提供義務あり 音声通話機能 日本国内から国内への音声通話発信
データ通信機能 日本国内からインターネットへの接続機能
SMS送受信機能 日本国内から国内へのSMS発信・受信
提供義務なし MMS(キャリアメール)送受信機能 MMS/キャリアメールの機能
(docomo.ne.jp/ezweb.ne.jp/softbank.ne.jpなど)
加入者管理装置(HLR/HSS)に関する機能 契約者属性の認証および利用
※属性に基づくLINE年齢認証や与信に基づく決済サービスなど
緊急速報通知機能 緊急地震速報・Jアラートなど
※MNO独自判断により提供されている

この中で、「提供義務を負わない」けれどMNO独自の判断によりMVNO事業者へ提供・解放されている機能やサービスもあります。

たとえば、国民の生命にかかわるサービスとしての「緊急速報通知機能(地震・災害速報やJアラートなど)」などです。

では、簡単にMNOがMVNO事業者へ提供している、または提供していないサービスを個別に見てみましょう。

音声通話機能の提供

日本国内での音声通話機能について、MNOはMVNO事業者への提供義務があります。

これにより、MVNO事業者が提供する音声通話サービスはMNOと同じ品質・同じエリアでの利用が可能となります。

日本国内と海外との音声通話や海外から海外への音声通話など、音声通話に関する海外での接続サービスについてはMNOは提供義務がありません。

しかし、実態としてMNOはMVNO事業者へ海外ローミングのサービス機能を提供・解放しています。

このため、MVNO事業者は独自の判断により海外ローミングのサービスを消費者へ提供することが可能です。

データ通信機能

日本国内からのデータ通信利用において、MNOはMVNO事業者への提供義務があります。

一方、MNOが独自に海外で保有するデータ通信機能や、海外で現地通信事業者との提携により構築した「海外でのデータ通信サービス」はMVNO事業者への提供義務がありません。

一般的にMVNO事業者が海外でのデータ通信サービスを提供するためには、独自で設備を保有するか独自で海外現地通信事業者との提携が必要となってきます。

このため、現在のところ海外でのデータ通信サービスを提供しているMVNO事業者は存在しません。

SMS送受信機能

SMS(ショートメール)は音声通話機能を利用して短文メールを送受信することができるメール機能です。

MNOは、国内でのSMS送受信機能をMVNO事業者へ提供・解放する義務を負っており、すべてのMVNO事業者で国内でのSMS送受信が利用可能です。

また、海外とのローミングサービスは提供義務がありませんが、「国際ローミング」というサービス名称のもとにMNOはMVNO事業者へSMSの海外ローミングサービスを提供しています。

MMS(キャリアメール)送受信機能

MMS(キャリアメール)はSMS(ショートメール)の機能を拡張した、マルチメディアメール機能です。

短文しか送れないSMS(ショートメール)機能を拡張し、写真や動画などの添付ファイルを送れる機能を持つメール機能であり、「メールアドレス」を持つことからインターネットメールとしての利用も可能です。

MNOはMVNO事業者に対して、MMS(キャリアメール)の接続サービスを提供する義務を負いません。

そのため、MVNOがMMSを利用可能とするためには独自にMMS送信設備(音声通話機能を使った特殊なSMS機能の設備)を保有する必要があります。

実利用において、現在独自にMMS送受信設備を保有しているMVNO事業者は存在しません。

加入者管理装置(HLR/HSS)

携帯電話・スマホはほぼすべての契約情報をSIMと紐付て管理しています。この契約内容・契約者属性やSIMの情報(端末がどこで開通・通信したか)を管理している設備が「加入者管理装置(HLR/HSS)です。

MNOはこの「加入者管理装置」が管理する機能およびそれと連携したサービスをMVNO事業者へ提供する義務を負いません。

そのため、MVNO事業者が提供するサービスでは、この契約情報管理の機能を使った属性判定(LINE年齢認証など)や与信判定(携帯キャリア決済サービス)などのサービスを消費者へ提供できません。

なお、この加入者管理装置の提供・解放についてNTTドコモは積極的であり、直近で大手通信事業者であるIIJとの加入者管理情報交換が実現しています。

緊急速報通知機能

地震・災害時などの緊急速報(エリアメール・Jアラートなど)の通知サービスについても提供義務がありません。

しかし、この機能は国民の生命に関する重要なサービス機能であるととらえ、MNOはMVNO事業者へこの通知情報を即座に提供しています。

これにより、MVNO事業者が提供する「格安SIM」であっても、スマホのOSやアプリが対応していれば、緊急地震速報やJアラーとなどの重要な通知を受け取ることができます。

MVNOが提供するサービスの限界

このように、MNOはすべての通信サービスや附帯サービスをMVNO事業者へ提供・解放しているわけではありません。

言い換えると、格安SIMへ乗り換えた場合に、今まで大手キャリアで当然のように使っていたサービスが格安SIMでは利用できない!ということがあり得るわけです。

ポイント

MNO(大手キャリア)がMVNOへ提供しない機能・サービスは、MVNOが独自でサービス機能を構築するかサービス提供をあきらめるしかない!

MVNOでは実現が困難なサービス

では、MNOからMVNO事業者へ提供されない機能・サービスを見てみましょう。

MMS/キャリアメール

MMS/キャリアメールとは?

MMS(キャリアメール)はSMS(ショートメール)を拡張したメールサービスです。

短文しか送れないSMS機能を拡張し、写真や動画などのマルチメディアファイルを添付することができ、また「メールアドレス」を持つことでインターネットメールとしても使えるメールサービスです。

MMS/キャリアメールの特徴

メール着信通知

MMS/キャリアメールはデータ通信の機能と同時に音声通話の着信の機能を使ったメールサービスです。そのため、メールの着信がわかるというメリットがあります。

この「着信通知」の機能は現在ではGoogleのGメールなど多くのサービスが実現していることから、MMSに関する着信機能の需要は小さくなってきたと言えます。

信頼性が高い

MMS(携帯キャリアメール)は利用者が大手キャリアと契約しているからこそ利用できるサービスであり、そのことからフリーメールなどと比べて「信頼性が高い」と言えます。迷惑メールになりにくい、ということです。

このため、ネット上の様々なサービスを利用する場合において、「携帯メール登録必須」となっているサービスも多く存在します。

たとえば、ゆうちょ銀行のオンラインバンキングで振込を行う場合、振込操作ごとの「ワンタイムパスワード」が発行されますが、この「ワンタイムパスワード」を受信するためには「トークン」と呼ばれる特別な機械を使うか、MMSをメールアドレスとして登録して利用するかしかありません。

ガラケーの迷惑メールフィルター

また、今でも利用者が多いガラケーなどをご利用の方とメールでの連絡を行う場合にもMMSが必要となる場合があります。

ガラケーの「迷惑メールフィルタ」では「MMS以外のメールを迷惑メールとみなす」という設定が初期値となっている場合が多いのです。特に契約者がご高齢の方であれば、契約時にショップの店員さんがそのように設定する場合もあるようです。

この場合、迷惑メールフィルタの設定を変更すればよいのですが、その操作がなかなか面倒なことから、MMS以外でのメール連絡が困難となることも想定されます。

契約者属性の認証(LINE年齢認証)

MNOが管理する「加入者管理装置」はスマホ契約者の属性とSIMを関連付けて管理していると同時に、その情報を使って属性判定のサービスをコンテンツ提供会社へ提供しています。

たとえばNTTドコモではコンテンツ提供会社へ「年齢判定機能」を提供しています。他のauやソフトバンクも同様です。

「年齢判定機能」について | NTTドコモサポートメニュー

この機能を使って年齢確認を行っているのコンテンツ(アプリ)の代表がLINEです。

LINEのID検索に必要となるLINE年齢認証にはMNOの属性判定サービスが必要となっていますが、現在このサービスはMVNOへは提供されていません。

つまり、LINEで年齢認証を行うためには加入者管理装置の機能に基づく属性判定サービスが必要であり、LINEの年齢認証は格安SIMでは利用できません。
※LINEモバイルおよびワイモバイルは可能

契約者の与信判定(携帯キャリア決済サービス)

また、「加入者管理装置」がもつ契約者の与信情報を使ったサービスに「携帯キャリア決済サービス」があります。

ドコモの「SPモード決済」「ドコモケータイ払い」、auの「auかんたん決済」、ソフトバンクの「ソフトバンクまとめて支払」などのサービスです。

ネットショッピングなどの購入代金やゲーム課金などをスマホ代金と一緒に決済し請求してくれるサービスで、若い利用者層に多く使われているサービスです。

このサービスについてもMNOはMVNOへサービス提供しておらず、格安SIMでは携帯キャリア決済ができません。

携帯キャリア決済が利用できなくても、クレジットカード決済やコンビニ決済などが利用できるサイトも多いのですが、一部アイドル公式サイトなどはグッズ購入代金やチケット購入代金に対して携帯キャリア決済のみのサイトもあることから、このサービスを必要とする利用者も多いと思われます。

海外データ通信サービス

海外旅行時において、最近では空港などで比較的簡単に現地のデータ通信専用SIMを購入できるようになりました。

しかし、SIMの購入・設定などに不慣れな人や、短期間のみの滞在などの場合には大手キャリアが提供している海外通信サービス(ローミングサービス)は非常に便利なサービスです。

国内で使っていたスマホがそのまま現地でも使え、データ通信でも「海外パケット定額」などのサービスが適用されて、便利で安く利用できます。

この海外向けのサービスはMNOがMVNOへ提供する義務はなく、また提供されていません。

格安SIMでは、海外でのデータ通信サービスを利用できません。

格安SIMへ乗り換えて「しまった!」とならないために

このように、大手キャリアから格安SIMへ乗り換えた場合に、どうしても格安SIMでは利用できないサービスが出てきてしまいます。

これらのサービスをご利用でなければ問題ありませんが、格安SIMへの乗換にあたってこれらのサービスを必要とされる方には注意が必要です。

ポイント

格安SIMへ乗り換える前に、こんなサービスは使っていませんか?

  • MMS/キャリアメールは使えません
  • LINE年齢認証はできません
  • 携帯キャリア決済サービスは利用できません
  • 海外でデータ通信サービスは利用できません

MNOとMVNOの中間に存在する「サブブランド」

ここまで、大手キャリアで利用できるサービスでありながら、MNOがMVNOへサービス提供していないために利用できないサービスをいくつか上げてきました。

これらのサービスが必要な方が、MVNO事業者の格安SIMへ乗り換えてしまうと、後で「しまった!こんなはずじゃなかった!」となるわけです。

しかし、これらのサービスが必要な人は格安SIMへ乗り換えることができないのか?というと、そうではありません。

「格安SIM」と呼ばれる安価な通信サービスを提供するブランドには、大手キャリア並のサービスを提供できる「サブブランド」と呼ばれるものが存在します。

「サブブランド」とは

「格安SIM」を提供している事業者には、MVNO事業者が提供するブランド(楽天モバイルやmineoなど)とは別に「サブブランド」と分類されるブランドがあります。

UQモバイルとワイモバイルです。

UQモバイル

UQモバイルの運営会社「UQコミュニケーションズ」はKDDI(au)の子会社です。

また、UQコミュニケーションズは自社サービスとしてデータ通信専用サービスのWiMAX2+というサービスを展開していますが、この回線サービスをKDDI(au)へ提供するなど、お互いにMNOでありMVNOである、という関係があります。

ワイモバイル

また、ワイモバイルは旧イーモバイルという通信事業者を母体としたブランドであり、かつては「第四のキャリア」と言われていました。

旧イーモバイルはソフトバンクへの買収を経て現在ではソフトバンクに合併・吸収されており、現在ではソフトバンクの格安ブランドとして実態はソフトバンクそのものと言えます。

サブブランドの強み

この二つのブランドは大手キャリアより安い通信サービスを提供しながらも、明らかに他のMVNO事業者とはサービス提供レベルが違います。

それぞれ、MNOと資本関係があると同時に、ブランド自体が通信事業者としての機能・サービスを保有しているという強みがあります。

では、サブブランド(UQモバイル・ワイモバイル)が提供可能な大手キャリア並のサービスを見てみましょう。

MMS/キャリアメール

まず、MNO(大手キャリア)はMMS(キャリアメール)をMVNO(格安SIM)へ提供していませんが、KDDI(au)はUQモバイルへMMS機能を提供しています

そのため、UQモバイルでは月額200円のオプションとしてMMS(@uqmobile.jp)を利用することができます。

また、ワイモバイルはかつてイーモバイルとして独立した通信事業者であったことから、イーモバイル時代からの利用者を含めてワイモバイルはMMS通信機能を保有しています

ワイモバイルでは標準サービス(無料)としてMMS(@ymobile.ne.jpなど)を利用することができます。

格安SIMを検討しているけれどMMSを利用したいという方は、選択肢としてUQモバイルかワイモバイルのみとなります。

ポイント

格安SIMでMMS(携帯キャリアメール)はUQモバイル(月額200円)かワイモバイル(月額無料)しかサービス提供していません。

LINE年齢認証

LINEは大手キャリアと提携して、契約情報に基づく年齢確認を行っています。また、LINEが運営するLINEモバイルでは大手キャリアの顧客管理装置を利用せずに独自の顧客管理機能によりLINE年齢認証が可能となっています。

このサービスはMNOがMVNOへ提供していないサービスであるため、格安SIMでは(LINEモバイルを除き)LINE年齢認証ができません。

しかし、ワイモバイルは実態がソフトバンクであることからソフトバンクの利用者管理装置が持つ情報を利用できます。

これにより、ワイモバイルは格安SIMで唯一、LINEの年齢認証が可能となっています。

大手キャリアですでにLINEの年齢認証を済ませてから格安SIMへ移行する場合は問題ありませんが、新しく格安SIMでLINEを始める場合には、LINEモバイルまたはワイモバイル以外ではLINE年齢認証はできない、ということです。

ポイント

LINEの「ID検索」で必要となる「LINE年齢認証」はLINEモバイルかワイモバイルでしか認証できません。

携帯キャリア決済サービス

携帯キャリア決済サービスはネットショッピングなどの決済代金をスマホの利用料金と一緒に引き落としてくれる決済サービスです。

特に若い年齢層のユーザーに利用者が多く、また一部のアイドル公式サイトなどではサービスやチケットの購入代金を携帯キャリア決済のみ、としているサイトもあります。

MNOは顧客管理装置およびこれに基づくサービスをMVNOへ提供しておらず、格安SIMでは携帯キャリア決済サービスの利用ができません。

唯一、ワイモバイルだけはソフトバンクが提供している「ソフトバンクまとめて支払」と同じサービス「ワイモバイルまとめて支払」を提供しています。

格安SIMを検討中の方で「携帯キャリア決済」のサービスを利用したい、という方の選択肢はワイモバイルのみとなります。

ポイント

格安SIMで携帯キャリア決済サービスを使えるのは、ワイモバイル(まとめて支払サービス)のみです。

海外データ通信サービス

MNO(大手キャリア)は海外での音声通話機能やデータ通信機能を実現するために、自社で海外用アクセスポイントを作ったり現地通信事業者と提供して、海外サービスの仕組みを構築しています。

この機能はMNOがMVNOへのサービス提供義務を負いませんし、一部サービスを除きサービス提供されていません。

音声通話機能やSMS機能については、MNOはMVNOへローミングサービスを提供しています。

しかし、海外でのデータ通信機能についてはMVNOへサービス提供していません。

つまり、今使っているスマホを海外で利用する場合、大手キャリアであれば対応国内においてデータ通信が安く利用できますが、格安SIMでは海外でデータ通信することができません。

唯一、ワイモバイルは「ソフトバンク海外パケットし放題」を利用できる格安SIMです。

国内で使っているスマホを海外でもそのまま使って通話やデータ通信をしたい、という方の選択肢はワイモバイルのみとなります。

ポイント

格安SIMで海外データ通信サービスを提供しているのは、ワイモバイル(海外パケットし放題)のみです。

格安SIM(サブブランド)のサービスと価格の比較

サブブランドのサービスの強み

このように、サブブランドと呼ばれるUQモバイルとワイモバイルは他のMVNO(格安SIM)では提供が困難なサービスを提供しています。

具体的には以下のサービスです。

サービス UQモバイル ワイモバイル
MMS(キャリアメール) 利用可能
月額200円
@uqmobile.jp
利用可能
標準サービス(無料)

@ymobile.ne.jpなど
LINE年齢認証 認証不可 認証可能
携帯キャリア決済サービス 利用不可 利用可能
「ワイモバイルまとめて支払」
海外データ通信 利用不可 利用可能
「ソフトバンク海外パケットし放題」

これらの機能はMVNO事業者では提供が困難なサービスであり、MVNO事業者に対するサブブランドの優位性となります。

サブブランドの価格面の強み

また、これらサブブランドは大手キャリアよりも格安で通信サービスを提供しています。

サブブランドの格安SIMへ乗り換えた場合に、スマホ代がどれくらい安くなるかを比較してみましょう。

完全定額での比較

まず「完全かけ放題」での比較です。月間データ容量は大手キャリアで最も契約者が多い5GB程度で比較です。

格安SIMで「完全かけ放題」を提供しているのはワイモバイルだけであり、ワイモバイルとソフトバンクを比較しますが、ドコモ・auの料金体系もソフトバンクと横並びです。

費用 ワイモバイル ソフトバンク
スマホプランM データ定額(5GB)
月額基本料金 1年目 3,980円(※1) 8,000円

  • スマ放題:2,700円
  • ウェブ使用料:300円
  • データ定額(5GB):5,000円
2年目 4,980円(※1)
音声通話 完全かけ放題
月間データ量 6GB 5GB
2年間の通信費総額 107,520円
大手キャリアの56%
192,000円

(※1)スーパーだれとでも定額オプション(月額1,000円)を含む

通話についても完全かけ放題で比較した場合、サブブランドのワイモバイルでも大手キャリアの半分近く(56%)で利用できるほど安くなります。

5分かけ放題プランでの比較

次に、大手キャリアでも採用されてきた「5分かけ放題」での比較です。

UQモバイルは「おしゃべりプラン」で5分かけ放題を標準提供し、ワイモバイルは「スマホプラン」でこちらは10分かけ放題を提供しています。

費用 UQモバイル ワイモバイル ソフトバンク
おしゃべりプランM スマホプランM データ定額(5GB)
月額基本料金 1年目 2,980円 7,000円

  • スマ放題ライト:1,700円
  • ウェブ使用料:300円
  • データ定額(5GB):5,000円
2年目 3,980円
音声通話 5分かけ放題 10分かけ放題 5分かけ放題
月間データ量 6GB 5GB
2年間の通信費総額 83,520円
大手キャリアの47%
168,000円

「おしゃべりプラン」も「スマホプラン」も1年目・2年目の料金が変額制ですが、2年間の平均は3,480円となり、大手キャリアの半額以下(47%)で使えることになります。

このように、価格面においてはサブブランドは大手キャリアのほぼ半分の料金で利用できる通信サービスを提供しており、大手キャリアに対するサブブランドの価格優位性となります。

サブブランドの優位性まとめ

このように、サブブランドは一般的なMVNO(格安SIM事業者)では実現困難なサービスを提供しながらも、大手キャリアの約半分の料金で利用できる通信サービスです。

特に、MVNOで提供が困難なサービスについては、格安SIMへの乗換後に「今まで使っていたこんなサービスは使えないのか!」とならないためにも、まずは格安SIMでサブブランドだけが提供できているサービスを確認しておいて欲しいと思っています。

ポイント

サブブランドは大手キャリア並のサービスでありながら、スマホ代金も約半分になります。

  • MMS/キャリアメール利用可能
  • LINE年齢認証可能(ワイモバイル)
  • 携帯キャリア決済サービス利用可能(ワイモバイル)
  • スマホ代金は約半分

MVNO事業者のサービス比較

格安SIMへの乗換を検討している方へ、ここまでは一気に大手キャリアからMVNO事業者の格安SIMを検討するのではなく、中間的な存在として「サブブランド」という分類があることと、サブブランドの優位性を説明してきました。

サブブランドではMVNO事業者では提供が困難な大手キャリアと同等な通信サービスを提供できることが強みとなりますが、それらのサービスを不要と判断された方はさらにMVNO事業者の提供する格安SIMを検討されると良いでしょう。

ここからは、MVNO事業者が提供している魅力的なサービスの紹介と大手キャリアやサブブランドとの比較を行います。

MVNO事業者の価格面での比較

まず、MVNO事業者が提供する通信サービスは「安い!」と言えます。

前章でサブブランドの通信サービスが大手キャリアの約半分だと比較・検証しましたが、MVNO事業者が提供する通信サービスは多くの場合それ以上に安くなるのが魅力です。

楽天モバイル「スーパーホーダイ」と比較

まず、前章でサブブランドと大手キャリアを価格比較したように、MVNO事業者の格安SIMと大手キャリアを価格面から比較してみます。

一例として、MVNO事業者として大手である楽天モバイルの「スーパーホーダイ」というプランで大手キャリアと比較してみます。

費用 楽天モバイル ソフトバンク
スーパーホーダイ(M) データ定額(5GB)
月額基本料金 1年目 2,980円(※1) 7,000円

  • 通話定額:1,700円
  • ウェブ使用料:300円
  • データ定額(5GB):5,000円
2年目 3,980円(※1)
音声通話 5分かけ放題
月間データ量 6GB 5GB
2年間の通信費総額 107,520円
大手キャリアの49%
168,000円

楽天モバイル「スーパーホーダイ」は、基本料金の中に「5分かけ放題」を含んでおり、また月間の高速データ容量を使い切っても「1Gbpsで通信できる」という点が強みです。

大手キャリアの場合は高速データ通信を使い切ってしまうと128Kbpsという使い物にならない速度に規制されますが、楽天モバイル「スーパーホーダイ」の「使い切っても1Gbps」であれば標準画質の動画であれば十分視聴可能です。

そのうえで、価格面においては大手キャリアと同等プランにおいて約半額(49%)で提供される通信サービスです。

IIJmio「ライトスタートプラン」と比較

また、格安SIMとしては老舗であり、格安SIMだけでなく古くから日本国内のネットワーク事業で実績をもつIIJと比較してみます。

費用 IIJmio ソフトバンク
ライトスタートプラン データ定額(5GB)
月額基本料金 1年目 3,050円(※1) 7,000円

  • 通話定額:1,700円
  • ウェブ使用料:300円
  • データ定額(5GB):5,000円
2年目 3,050円(※1)
音声通話 5分かけ放題
月間データ量 6GB 5GB
2年間の通信費総額 73,200円
大手キャリアの43%
168,000円

※1:基本料金2,220円に「5分かけ放題」オプション830円を含む

IIJmioは早くから格安SIM市場に参入し、現在多くのMVNO事業者が採用している魅力的なサービスの多くを最初に導入してきました。格安SIM市場をけん引してきたブランドと言えます。

IIJmioのライトスタートプランは月間6GBの高速データ通信ができるプランで、オプションで「みおふぉんダイアル5分かけ放題」が月額830円で提供されています。

基本料金に5分かけ放題オプションを加えても、大手キャリアの半分以下(43%)で利用できるという価格優位性を打ち出しています。

このように、価格面においてはMVNO事業者が提供する格安SIMはサブブランドさえも超えた安さで通信サービスが提供されています。

MVNO事業者のサービス面での比較

データ通信量を減らす工夫

MVNO事業者が提供するサービスでは、大手キャリアと違って「少ないデータ容量を最大限に利用できるサービス」が揃っています。

データ容量の繰り越しサービス

当月中に使い切れなかったデータ通信容量を翌月以降に繰り越して使える、繰り越しサービスがあります。この翌月繰越サービスは格安SIMでIIJが初めて導入した後に、大手キャリアも後を追って導入した経緯があります。

ただし、大手キャリアの繰り越しサービスと格安SIMの繰り越しサービスでは大きな違いがあります。

格安SIMの繰り越しサービスは、まず前月分の繰り越し分からデータ容量を消費していくという仕様が一般的です。賞味期限の古い分から利用しましょう、という感じです。

対して大手キャリアの繰り越しサービスはとにかく当月分のデータ容量を消費して、当月分を使い切った後に前月からの繰り越し分を消費していきます。

格安SIMの繰り越しサービスの方が、無駄なく繰り越してくれる仕組みになっています。

データ容量の共有サービス

家族みんなで同じ格安SIMを使う場合や個人(一人)でスマホとタブレットを使う場合など、一つの大きなデータ容量を複数のスマホ(契約SIM)で共有して使うサービスです。

10GBや20GBといった大きなデータ容量を複数のスマホ・タブレットで共有して使うことから、契約容量に対して無駄なく使うことができます。

大手キャリアでもドコモが積極的に採用している「家族みんなで大きなデータ容量を共有しましょう」というサービスです。

格安SIMでは一般的に提供されているサービスで、家族みんなで大容量を共有するサービスもあれば、個人で少しの容量をスマホとタブレットで使う、といった使い方もでき、MVNO事業者の特徴が出てくるサービスです。

データ通信速度の高速化・低速化

MVNO事業者が提供する格安SIMの面白いところが「高速データ通信のオン・オフができる」という機能を提供していることです。

通常、契約範囲内のデータ通信容量において高速LTE通信が可能ですが、この通信を「低速モード」に切り替えることができます。

低速モードに切り替えた場合、通信速度は200Kbpsから300Kbps程度となり速度は低下しますが、この程度の速度でも十分メールやLINEなどのアプリケーションは利用できます。

そして、多くの場合、「低速モード」は契約範囲のデータ容量を消費しません。つまり、無料で通信できるモードということになります。

カウントフリー機能がある

大手キャリアにないサービスとして「カウントフリー機能」があります。

カウントフリー機能とは、ある特定のサービス利用において消費されるデータ通信容量を定額オプション料金の範囲で消費しない、というサービスです。

たとえば、BIGLOBEモバイルが提供している「エンタメフリーオプション」などは、YouTube動画の視聴に必要なデータ容量を消費しません。

そのため、オプション料金を払ってカウントフリーとすることで、本来の契約データ容量は小容量の安い料金プランで利用可能となります。

格安SIMの料金面でのサービス比較

複数回線割引

大手キャリアでは家族みんなで同じキャリアを囲い込むことを進めていますが、格安SIMでも家族みんなで使いましょう、というサービスを展開しています。

また、格安SIMは基本料金が安く設定されていることから、手持ちで遊んでいるちょっと昔のスマホやタブレットでも気軽に利用できます。

この場合、当然のことながら「複数回線契約に対する割引サービス」があります。

自宅ネット回線とのセット割引

格安SIMは多くのMVNO事業者が提供しています。

流通大手のイオンが提供しているイオンモバイルなどもありますが、多くの場合MVNO事業者は格安SIM以外にもモバイル回線サービスや光回線サービスなどを提供している通信事業者となります。

そのため、自社が提供している格安SIMと光回線サービスなどのセット割引があります。

大手キャリアでは「ドコモ光・auスマートバリュー・ソフトバンクおうち割」などでスマホと光回線の囲い込みによる割引サービスを実施していますが、格安SIMでも同じようにセット割引を提供しています。

格安SIMのサービス提供レベルのまとめ

格安SIMはMVNOとサブブランドを分けて検討する

MNO(大手キャリア)はMVNO(格安SIM事業者)へ、すべての機能やサービスを提供しているわけではありません。

MVNOがMNOの提供していないサービスを実現するためには、独自で実現の仕組みを構築するかサービス提供をあきらめるしかありません。

その中で、「サブブランド」と言われる格安SIM(UQモバイル・ワイモバイル)はMNOとの結びつきが強く、また独自に通信設備やサービスを保有しているという強みがあります。

そのため、まずは「大手キャリアが提供しているサービス」の中で、「サブブランドが提供できるサービス」と「MVNO事業者が提供できるサービス」を分けて考える必要があります。

そうでなければ、格安SIMに乗り換えたとたんに今まで便利に使っていたサービスが使えず「こんなはずじゃなかった!」となりかねません。

サブブランドが提供できるサービス

UQモバイルやワイモバイルが提供できるサービスは本記事で整理しています。大手キャリアが提供しているすべてのサービスについての比較ではありませんが、格安SIMに乗り換えて「困った!」と良く聞く声について記載しています。

まずは、MVNOでは提供できない機能、サブブランドが提供できる機能を確認してください。

もしその中で必要なサービスがあれば、「スマホ代を安くしたい!」という目的で乗り換える先はUQモバイルかワイモバイルとなります。

大手キャリア・サブキャリア・MVNO事業者をわけてサービス比較する

MVNOで提供していないサービス、UQモバイルやワイモバイルで提供しているサービスが不要、という方は、さらに便利に安くで利用できるMVNOの格安SIMを検討してみると良いでしょう。

格安SIMではは多くの事業者が多彩な料金プランやサービスを提供している魅力的なサービスですが、その反面としてあまりに多くのサービスやプランがあってわかりにくい、という状況になっています。

格安SIMのサービスを比較する場合には、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)と格安SIMの比較をする前に、その中間的な存在としてサブキャリアがあることを理解し、大手キャリア・サブキャリア・MVNO事業者の格安SIM、と3つに分けて検討してみることをお勧めします。



投稿日:2018年5月13日 更新日:

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